<開演前囲み取材>
今回は舞台「フルーツバスケット The Final」の公演を前に、メインキャストの7人、本田透役の吉田綾乃クリスティーさん、草摩由希役の北川尚弥さん、草摩夾役の橋本祥平さん、草摩紫呉役の安里勇哉さん、草摩潑春役の田村升吾さん、草摩紅葉役の古賀瑠さん、草摩慊人役の彩凪翔さんが囲み取材を受けて頂きました。
まず、主演の吉田さんは本日から始まる舞台「フルーツバスケット The Final」の本番を前に「今回いよいよファイナルということで寂しくもあるんですけれども、とてもいい作品で締めくれるように、今回精一杯頑張りたいなと思います。」と語り、また北川さんは、「ファイナルということで、お客さんの期待値が上がってると思いますので、お客さんの期待を裏切らないようなストーリーとお芝居をお届けできるように最後まで大切に演じさせていただきます。」と意気込みを語った。
そして橋本さんは「本日この日を迎えられたことを心から嬉しく思います。この作品がファイナルまで続けられたのも、応援してくださってるお客様があってのことだと思いますので、感謝と全力を込めて、千秋楽まで全力で駆け抜けていきたいと思います。」と気合十分な様子で話した。
他キャストの安里さん、田村さん、古賀さん、彩凪さんもFinalということで今まで以上に頑張るとともにフルーツバスケットの世界をしっかり届けたいと挨拶。
役者の挨拶後、質疑応答に移り“2年半に渡り自身の役を演じてきて変化したことは?”という質問に対して吉田さんは「演じる上で透くんをすごく意識するようになって、人柄や誰にでも平等に接することができるところが本当にすごいなと。『透くんだったらこういう時こうするかな』ということを日常生活の中で考えたり、心がけるようになりました」と日常生活でも変化があったようだ。
北川さんは「毎回毎回、どの瞬間のお芝居も全員が全力でぶつかってきてくれる。当たり前のことなのですが、それを全力でやるって本当に大切なことだなと改めて感じました。また由希は自分と向き合い、自身の事を分かってる人間。僕も自身と向き合きあう大切さを、由希を通して学びました。」と語った。
一方、橋本さんは「変わらないなっていうところもありまして」と口にし、「最初の舞台フルバから2年半続けてきて、当時小学生だった子が今は中学生になって、中学生だった子が高校生になり、僕なんて20代だったのが、今30代になりました。(安里)勇哉くんはあと20年ちょっとしたらもう定年じゃないですか。年齢を重ねつつも出会った頃と変わらないっていうのがこの座組の強み。いつまでもあの頃のままでここまで来れたっていうことはすごく嬉しいなっていう想いでいっぱいです。」というコメント。これに対し安里は「誰が定年や!」とすかさずツッコミを入れ、笑いが起こる場面も。
前作より女性でありながら男性として振る舞うキャラクターを演じてきた彩凪さんに対し、難しかったことや心掛けたことは?という質問が投げかけられると「前作は虚勢を張る部分が大きかったのですが、今回はその真逆の心の弱い部分とかが多く描かれています。そうした中で 慊人自身も自分の感情をコントロールでできてない状態なので、そうした感情を整理しすぎずにお芝居をする事が難しいなと感じました。」と回答した。
続けて今作で注目してほしいポイントを聞かれ、安里さんは「Finalということで、何からの卒業というか、それぞれの別れや成長いうものが、キャラクターごとに描かれています。舞台をご覧いただく方の中にも、共感できるところもあれば、 そうではないところもあったりすると思うので、それは見る人それぞれに楽しんでもらいたいです」と話した。
田村さんは「潑春を演じる上でやはり依鈴という存在が大事な存在なので、その2人の結末を注目して欲しいです。そして今回は一人一人がみんな主人公だと思うので、お客様にぜひ感情移入して楽しんでみていただきたいです。」と語った。
古賀さんは「今回は映像の力も借りて、舞台を楽しみながらも、まるでアニメを見ているかのように楽しめるので、舞台に日ごろ触れていない方でも、感情移入しやすいと思います。新しい“舞台「フルーツバスケット」”を楽しんでいただければと思います」と語った。
最後に、いよいよ幕が上がる舞台「フルーツバスケット The Final」について、吉田さんは「今回でいよいよファイナルとなりますが、ご覧になった方全ての方に“この作品に出会えてよかった”と思って頂きたいので、全力で演じていきたいと思います。ぜひ期待をしていただき、観に来てくださると嬉しいなと思います。」と締めくくった。
<ゲネプロレポート>
今回の『舞台「フルーツバスケット The Final」』はTVアニメ「フルーツバスケット(2019年版)」のThe Finalを全部描きます。今回の『舞台「フルーツバスケット The Final」』は休憩を挟んでの2部構成。時間としては休憩が15分なので、当初休憩込みで約2時間30分と思っていましたが、公演を見た限りでは、舞台の時間は約2時間27分だったので、他のサイトでも公演時間は書かれていると思いますが、そちらとこちらの真ん中あたりが公演時間だと思って貰った方が安全です。
こちらは2時間42分拘束(アフタートーク抜き)で計算しているので、こちらの方が多分長いとは思います。普通の舞台の場合、2時間30分(公式発表)で休憩を入れるのは珍しいと思います。第1幕と第2幕で装置の場面転換も特にありませんでした。第2部が終わった後としては、約2時間27分だと、休憩は妥当だと思います。
その2部構成の答えは、今回の演出の要になっている映像ではないでしょうか。一般的な舞台では、映像が一部使われている程度ですが、今回の舞台は映像がずっと流れています。映像操作は会場でも出来ると思いますが、ほぼ映像は流れっぱなしであり、切れ目もスイッチングが上手で殆ど分かりません。つまり第1幕は約77分、第2幕は約70分の映像がずっと流れたままで進行している事になります。演者は、セリフは自身で言っていますが、ほぼ映像の流れに沿って演じており、自分の間ではなく、間は映像に支配されていると言っても言い過ぎではないと思います。
過去にも、声に合わせて演じていた舞台はありましたが、今回のように声は本人ですが、映像にシンクロさせて演じているのは初めて見る経験をさせて頂きました。映像に合わせて演じるのは、かなり神経を使うので、恐らく75分が限界であり、休憩を入れて、行う形になると思います。第1幕約77分、第2幕約70分なので、演者的にはビッチリしていたと思います。
物語としては、『TVアニメ「フルーツバスケット(2019年版)」』のThe Final全部を描いており、物語もそれに沿った形となっています。第1幕は舞台の1stと2ndの伏線回収の比率が高かったと思います。今回の第2幕からがFinalへのスタートだったと思います。
演者については、今回は彩凪さんと、橋本さんと、吉田さんがキーパーソンだと思います。物語を知っている人もいると思うので割愛しますが、橋本さんと吉田さんはそれぞれで見せ場があると思います。彩凪さんのファンの人は、満足度が高いと思います。これを見ないと、なかなかここまで物語の中心となって出番がある役は他の舞台でも人でも珍しいので、スケジュールをこじ開けてでも行く価値はあると思います。
今回は、タイトルで「映像舞台」と言いましたが、多分舞台2回分くらいの費用がかかってても可笑しくないくらい、視覚の情報が多いです。大雑把に言っても、3層以上あるような舞台なので、その舞台を是非楽しみにして頂ければと思います。
1部約77分、休憩約15分、2部約70分
<時間:約2時間42分(休憩込み)>
<記者の眼>
本来なら、吉田さんはやらなくても良い箇所でリップシンクをしていました。多分、ここの個所は適当にやっていても前方席しかばれない内容でしたが、今回は第3弾だったという事もあり、吉田さんも役に思い入れがあったため、手を抜いても怒られない所を、ちゃんとやっていて、役への愛情の深さを感じました。
橋本さんについては、熱量がいつも全開ですが、いつも以上に熱く、舞台に真剣なんだなと毎回感じさせられます。
今回の主役は彩凪さんだと思います。良い意味で彩凪さんの全部を見せてくれたと思います。ここまで役の振り幅が多い舞台はあまり記憶がありません。他のキャストや作品目当てで行っている方もいると思いますが、今回の彩凪さんは見どころの一つだと思います。
<作品について>
今回の『舞台「フルーツバスケット The Final」』は、『TVアニメ「フルーツバスケット(2019年版)」を原作としており、今回の舞台ではThe Finalが最後まで描かれています。
TVアニメ「フルーツバスケット(2019年版)」のThe Finalは1クールであり、他の1stや2ndが2クールだったので、上演時間も比例して短くなっていますが、それでも、休憩込みでも普通に2時間を超えるので、一本の長編作品として、見る事が出来ると思います。
考えられる事としては、1stや2ndは時間の関係(と言っても、3時間前後の作品だったと思いますが)で泣く泣く切られたシーンもあったと思いますが、今回は原作で描けるシーンが、時間が倍以上になっているので、名シーンを惜しげもなく表現されています。
今回の作品は、1stの初日から数えると、約2年半の期間にわたって1stから出ているキャスト陣については、2年半で様々な所で色々な経験をして、その成長が役にも反映されて、時間軸は繋がってはいるけれど、大きな変化も見られたと思います。
<原作>
高屋奈月「フルーツバスケット」(白泉社・花とゆめCOMICS)
<演出/脚本>
脚本・演出:毛利亘宏 (少年社中)
<あらすじ>
全世界コミックス累計発行部数3000万部を突破
不朽の名作「フルーツバスケット」の 舞台 The Final
唯一の家族である母親を亡くした本田透。
由緒正しい『草摩家』の敷地でテント暮らしをしていたことが縁で
家主である草摩紫呉、同級生の草摩由希、草摩 夾と一緒に住むことに。
ところが、草摩家は何百年も前から代々十二支の呪いに縛られていた。
透は呪いを解こうと奔走するも、解決の糸口は全くつかめない。
それどころか、草摩家の当主である草摩慊人が女性だったという最大の秘密を透は知ってしまう。
『神』の慊人と『十二支』の皆をつなぐ“絆”、
それは儚く脆い悲しみの螺旋……。
誰もが忘れた最初の記憶、最初の約束。
その向こうで由希を、夾を、そして透を待っているものとは……。
物語はついに最終章へ
最後の宴が、始まる―――
◆キャスト
【本田 透】吉田綾乃クリスティー
【草摩由希】北川尚弥 【草摩 夾】橋本祥平 【草摩 紫呉】安里勇哉
【草摩潑春】田村升吾 【草摩依鈴】志田音々 【草摩紅葉】古賀瑠
【魚谷ありさ】南千紗登 【花島 咲】中村裕香里
【真鍋 翔】広井雄士 【倉伎真知】堀内まり菜
【草摩楽羅】関根優那 【草摩杞紗】鎌田英怜奈 【草摩燈路】陣 慶昭
【草摩紅野】三好大貴 【草摩慊人】彩凪 翔
《映像出演》※事前収録による映像出演
【草摩綾女】仲田博喜
【草摩はとり】伊万里 有
【草摩藉真】稲垣成弥
【草摩利津】安達勇人
【本田今日子】芳賀優里亜
【草摩 晶】松田 岳
【草摩慊人】(幼少期):津久井有咲 NEW
《アンサンブル》
河原あずさ 横松龍 葉月あさひ 槙原唯
◆スタッフ
美術:秋山光洋(n10design)
照明:河野真衣
音響:田中亮大(Paddy Field)
映像:O-beron inc.
衣装:ヨシダミホ
ヘアメイク:西村裕司(earch)
演出助手:スギザキサトミ
舞台監督:横尾友広
アートディレクション:羽尾万里子(Mujina:art)
宣伝写真:金山フヒト(Xallarap)
制作プロデューサー:ウネバサミ一輝(シザーブリッツ)
<公演概要>
公演タイトル:
舞台「フルーツバスケット The Final」
公演ホームページ:
https://fruba-stage.jp/
公演X:
https://x.com/fruba_stage
ハッシュタグ:
#フルバ
#舞台フルバ
<主催>
舞台「フルーツバスケット」製作委員会2024
Ⓒ高屋奈月・白泉社/舞台「フルーツバスケット The Final」製作委員会2024