2025年9月7日、東京・池袋にあるジュンク堂書店池袋本店において、「あさのあつこ『NO.6 再開#2』発売記念会見」が行われました。今回の記者会見では、あさのあつこさんが登壇されました。
「NO.6」シリーズ累計230万部と時代を経ても人気については全く色褪せない名著である本シリーズについて、新作の「NO.6 再会#2」についての記者会見が行われました。
記者会見では、あさの先生は慣れてないと思われるフォトセッションから始まり、濃密な記者会見へとなりました。
「今回の新シリーズを書こうとしたきっかけ」は、「14年前からもずっと書こうと思っていたのですが、NO.6の世界が完成していない。書ききれず、力及ばずっで書けなかったのですが、直接のきっかけはガザ(中東のイスラエルの隣国・隣接地帯)で、政治とか歴史とか知らないのですが、無抵抗の子供たちに大人がミサイルを撃ち込むという構図を見て、『NO.6の世界がある!』と思い、生々しく感じて、『書く書かないではなく、書かないといけない!』と思い、きっかけになりました。」と、筆が進んだのは、社会的には残虐的な出来事ではありますが、先生はこの残虐なことをすぐに書いて記録しないとと思われたそうです。
「読者からの要望」は、「事あるごとに、ここで終わっていいのかという話はあったし、再会を必ずという最後の誓いをそのままにしてしまうのか、ここに答えてしまうのかと言う質問が読者の方からありました。」と、読者の方からの後押しも作品を出せた要因だと話していました。
「#1の反響は?」では、「まさか、こんなに反響があると思ってなくて、偉そうに聞こえるかもしれませんが、本当にたくさんの皆さんが待っててくださっていて、続きが読めると言うことで、小・中・高・大・20代から14年ぶりに作品が再開したことに、読んでいた人たちの喜びが、手ごたえが予想外で、嬉しいより予想外で嬉しいとかより、どう受け止めて、このシリーズをやっていくかの課題や思いを受け止め、気持ちを引き締めないとと思いました。」と今回の書籍のカテゴリーは児童文学ではありますが、分類上の都合なだけで、先生としても、初期作品から読んでくれていた人でも問題ないと思っているそうです。
「本日の読者イベントについて」は、「私としては、来て下さった方が満足して頂くのがイベントですが、NO.6の世界が皆さんと少しでも語りあえる事が、皆さんが満足して頂けるような、時間としては短いのですが、時間を過ごしたいと思います。」と読者の方と会えるのを楽しみにしていました。
ここからは、記者からの質疑応答で、「あさの先生の作品はたくさんあるが、どの作品も同じ筋があるのか、それとも異なるのか?」という質問では「書くことによって、表したいこと、書く話によって人間が違うので、その主人公を活かすために、活かし方は違うが、手足のように背骨の部分の答えを探しながら書いているのがあって、道具などが変わっても、どんな作品を書いても変わらないし、リアルな現実にどういう風に向かっていくかがあって、スタンスは変わらないと思います。」と、全部に通ったものはないが、話ごとにはそれぞれまっすぐなものはあると話していました。
「書籍のジャンル」については、「今回は児童文学であるが、ライトノベルもあるのでは?」と聞かれた際には、『(ジャンルを)考えたことがない。』のと、「考えない書き方をさせて貰っている。時代物が多いが圧倒的に大人の人が読む率が高いのですが、だからと言って、今児童書、一般書を書いている区別はなく、児童書を書いている私は大人なので、児童書を書く際、大人として責任を取る必要があって、明日生きる希望とかを書いてます。児童書としては、大人としての責任があって、そういう希望を現実の世界に作られているのかなと思います。一般書の方が(自分の)そのままが書けるかなと思います。」と話していました。
「作品の中で時々の社会的な問題点として、エポックメイキングなことが書かれていますが、米国同時多発テロや、ガザなどの社会的な不安、中露北朝鮮の友好による米国の嫉妬などがありますが、一つのテーマを掘り下げるか、物語を広く展開するかのどちらですか。」という質問には、「あくまで物語を書く私の場合、誰を書きたいかにつきます。主人公2人をひたすら追いかけたい気がして、2人以外を追いかけたい気がしなくて、そこから新しいものを私の力では考えられなくて、ただ私ではなくて、今の混沌とした正体が分からないけど、一皮はがすと非常に単純としたものが感覚があって、それを捉えて、NO.6で描ききれないものを別の物に書くか、というのは、NO.6を書きながら、私が考え続けることだなと思います。」と、新鮮な時事もふんだんに取り込んだ作品だからこその作品のリアリティや、現実感の強さがあると感じさせられました。
<NO.6 再会>シリーズ
#2
発売日:2025年9月3日
定価:2019円(税込)
四六判:224ページ
ISBN:978-4-06-540414-0
#1
発売日:2025年5月28日
定価:2019円(税込)
四六判:224ページ
ISBN:978-4-06-538987-4
第三事業本部児童図書編集チーム