レポート:宮田「短歌って面白いよ!」短歌甲子園に賭ける高校生の青春群像劇を鮮やかに描く!宮田愛萌著・小説『春、出逢い』発売記念会見レポート

2024年8月9日、東京・新宿にあるブックファースト新宿店において、作家・宮田愛萌著『春、出逢い』発売記念会見が行われました。今回の記者会見では、宮田愛萌さんが登壇されました。

最初に和やかにフォトセッションが行われ、作家として初という事で、多少緊張されていた部分もありましたが、周りに置かれた魔法陣状のICレコーダーに、「召喚されたようだ。(笑)」と笑顔と、緊張感が解けたと見え、記者会見が行われました。


<「短歌甲子園」というこのテーマで書かれるきっかけは?>
一つ前の物は恋愛もので、恋愛ものの次は何を書こうかなと思って、青春物を書きたいなとなって、青春と言えば部活だろうと思いました。ものすごく短歌が好きで、短歌研究員というのも持っていて、調べていたら短歌甲子園というものがあるのを知って、もっと高校生にも短歌を楽しんで欲しいと思い、これを書こうと決めました。

<注目して欲しいところは?>
作中に出てくる登場人物が作った歌は自分で作っていて、いくつか友人たちに初心者の短歌を協力して貰って、そこをキャラっぽく私が直して、本当にすべて自分で書いているので、そこは是非注目して欲しいと思います。

<読んで欲しい人は?>
色んな方に読んで欲しいのですが、高校生とか若い方にも読んでもらって、そのまま文芸部入ろうかな?短歌甲子園に出たいな?と思って欲しいと思っています。

<周りの反響は?>
まだ一人しか来ていませんが、「身内のひいき目があるので、最高です。」と今朝連絡があって、嬉しかったです。(発売日のインタビューのため)

<キャラクターのネーミングについて>
登場人物の個性はあまり意図してこういう風に付けようとは思っていないのですが、名前については、文芸部は一年生は植物系で、二年生は赤くて、三年生は動物という縛りを付けて名前を付けてます。モブキャラたちは、地名が多くて、鉄鋼業が盛んな地名縛りを設けて名前を付けていて、個性はポップな感じのものにしたいなという事で軽さを意識しました。

<メディアミックス展開について>
私は舞台が好きなので、舞台とか嬉しいなと思うのですが、(作品の題材が)地味ですかね?部室ばかりで…。難しいかな?憧れはアニメ化ですね。アニメもすごく好きなので、出来たらいいなと思います。

<作った短歌について>
作ったものは特に数えていなくて、これは読みながら登場人物の歌ではなく、私の歌だなというのが多いです。そういうものの選別が難しくて、そういう時に最初に決めた登場人物の特徴メモを読み返していて、「違う。違う。違う。」と言いながら省いてやりました。どのくらい作ったでしょうか。数えるのが怖いです。百数十は作ったと思います。執筆期間が短くて、割と追い詰められていたのですが、短歌を作るのが息抜きになっていて、小説を読む感覚と短歌を詠む感覚は別で違っていて、精神的に追い詰められていても楽しくて、ヤバいという気持ちとイケるという気持ちが同居していました。

<製作期間について>
(今年の)2月、3月、4月です。2月の頭でプロットをあげて、あと1週間に1本短編(約50ページ)を書いていました。4月の末には第一稿になっていました。

<影響を受けた作品について>
丁度、小説現代で(「響け!ユーフォニアム」の)原作者の武田綾乃さんと対談をしているので、その時の対談も経験として身になっているとは思っています。

<自身に俳号(短歌や俳句でのペンネーム)を付けるなら?>
私だったら絶対「細川」が良いですね。私、「細川」と書くのがすごく上手で、筆で書くのもすごく上手で、細川になりたかったなとずっと思っています。色んな所で勝手に「細川」と名乗って宮田でしょと言われるのですが、俳号なら「細川」と名乗っても違和感はないので、名乗るなら絶対「細川」が良いです。

<最後に一言・伝えたかった事>
一番伝えたいのは、「短歌って面白いよ!」という事ですね。やっぱり、私は短歌を初めてまだぜんぜん日が浅いのですが、それでも三十一文字だから伝えられることがたくさんあって、それに思いを込めて、言葉を尽くすよりも、三十一文字の方が伝わることがあると思っていて、どういう言葉を選んだとか、あとは贈られた時に短歌の魅力だと思っているので、そういうものが伝わると良いなという思いと、それこそ私のファンの方はまだあまり本を読んだことが無い方が多くて、少しでも私をきっかけに本屋さんに行って欲しいなと思っています。こういう所からきっかけにじゃあ歌集を読んでみようとか、小説だけではなく、歌集読んでみようかなとか、短歌作ろうかな?という一歩のきっかけになればと思います。


「春、出逢い」
発売日:2024年8月9日
定価:1870円(税込)
四六判:248ページ
ISBN:978-4-06-536300-3
出版社:講談社
第一事業本部文芸第二出版部

ⒸKoishi Kenta/講談社