2024年11月16日、東京・池袋にあるグランドシネマサンシャイン池袋において、「第3回日本ホラー映画大賞」授賞式が行われました。
選考委員には清水崇さん(選考委員長)、堀未央奈さん、FROGMANさん、小出祐介さん(Base Ball Bear)、宇野維正さん、ゆりあんレトリィバァさんが登壇・紹介されていました。
今回の授賞式では、「大賞」、「選考委員特別賞」、「ニューホープ賞」、「株式会社闇賞」、「PRESS HORROR賞」、「シネマンション賞」、「豆魚雷賞」、「シネマサンシャイン賞」、「ギークピクチュアズ」が贈られていました。主催側の菊地剛KADOKAWA執行役チーフアニメーションオフィサー兼角川大映スタジオ 代表取締役社長と井上伸一郎チェアマンが口を揃えて、前回よりもレベルが上がったと話しており、回を重ねるごとにクオリティが高くなっていると話していました。講評の時に話をされていましたが、第一回の時は中学生がスマホで映していたのもあったのですが、第3回で各段にレベルが上がっていると話していました。
続いて、選考委員の発表と、代表をして清水監督が、選考委員全員で決めたことを強調されていました。
賞については、第一回から受賞している常連もいれば、今回の日本ホラー映画大賞のために作った作品、作品の着想についての話、他の作品賞でも受賞した作品での出品や、恐怖の表現の仕方の挑戦、スタッフ・キャストへの感謝、積極的に活動を発表する人、謙虚にスタッフとキャストをたたえる人がいました。
大賞は片桐絵梨子監督の「夏の午後、おるすばんをしているの」が受賞しました。片桐監督については、清水選考委員長が個人的にも知っている方で、清水選考委員長は選考委員に事情を説明しましたが、選考委員全員が清水選考委員長の評価抜きに押した事で、受賞されたそうです。
授賞式後に終わった公表では、堀さんは「小さい頃からホラーは見られるが、今回は一人では見られないかも。怖すぎて。(今回は)友達を呼んで見た。」と話すと、ゆりあんさんも「強いし、面白いし、こんなにたくさんあって嬉しかった。」と話していました。
宇野さんは、黒沢清イズムを感じられたという事で、応募者に関する情報はマスコミには公表されていないので、一概に言えませんが、黒沢清監督に鼓舞された人も多かったことが伺えます。受賞者の中にも、どことは言っていませんが、大学院在学で作成したとも話していました。作品的にはFROGMANさんは「映像もクオリティもレベルが上がっていた。」と話し、単純なホラーから、社会性も混ざってきたりしていたが、純粋なホラーでも良かったのではないかと話していました。
ホラーについても、個別にジャンルがあるそうで、堀さんは「(ジャンルを)極めて欲しい。」と話し、カメラワークなどの表現でのホラーにも、関心されていました。
今回の大賞での講評として、小出さんは「エンタメ系のホラーが減っている。」という印象を示し、FROGMANさんは「今回はAIの作品が無かったが、ツールの会社の一つとして、ADOBEを挙げ、ツールにAIが内蔵されているので、そういう作品も増えるのでは?」と話し、また宇野さんも色んなジャンルで既にAIが使われている話を話し、今後の大賞はAI]やスマートフォンで小学3年生が作ったホラー作品が受賞した例を話をされていました。
堀さんが固定観念にとらわれず、「個人の出したいものを表現して欲しい。年齢、性別、国籍に関係なく出して欲しい。」と話していました。
最後に清水選考委員長から「回を重ねるごとにライバルを真剣になって作っているんだろう。」と思いつつ、楽しいし「色んな人に挑戦して欲しいし、大賞を目指すより、自分の怖いもの。」を作ってみては?と話していました。