レポート:中学生も勉強になる!佐々木類の個展「不在の記憶」取材レポート

2025年2月14日から3月8日まで、東京・西麻布にあるWALL_alternativeにおいて佐々木類の個展「不在の記憶」が開催されている。

最初に、佐々木のアートの特徴としては、ガラスを使って、植物の記録を保存するというユニークな手法で作品を作っている。

今回の「不在の記憶」では、金沢・西麻布・青山と、今回の個展で作品を作るのに縁がある場所の植物を採取して、ガラスで植物を挟み、熱して植物の記憶をつづっている。

植物や土は灰になると、灰色になるというのがイメージとしてあるだろうが、植物については、灰色と言うより、透明な跡だが、水分や酸素によって、気泡が異なっている。土については、ちゃんと土としての色が残っており、土の記録が出来ているのではないか。

話によると、地域によって、植物でも水分が異なり、作品を何度も作り直したりもした話や、佐々木が去年にしている金沢と、東京の植物が残した記憶を見て欲しいと思う。

「不在の記憶」とはタイトルについているが、作品を通して見ていると、中学生にも分かりやすく言えば、生物と科学の融合した芸術作品であり、作品を透過して見たり、何重にも重なったがどのように構成されているのかや、明るさと暗さで比較すると、見え方が異なったりし、高校の物理の光の屈折など、中学生や高校生の勉強にもとてもためになる良作が並んでいると思う。

基本的に光を当てて作品を見せているのが多いが、大型ので、敢えて光を当てずに展示しているもの見え方など、意識されて作ってはいないだろうが、中学生の勉強や視覚的な見え方について、何故目があるのか?と考える人まで出てきたら、作品も作品以上の魅力を見て貰えたと思うのではないだろうか。