レポート:今回の優勝は時流に乗った!第12回全国高等学校ダンス部選手権(avex presents DANCE CLUB CHIAMPIONSHIP)決勝ステージショートレポート

決勝ステージは、予選を勝ち抜いた10チームでダンスを披露しました。

10チームに言える事ですが、技術力については、あまり大差がなく、振付や演出を誰がやってくれていたのかで差が出ていたと思います。例えていえば、高校生のアイドルのダンスが凄いとすると、アイドル本人もとても努力してダンスを練習していると思いますが、個性が際立つ振付や演出がされているからであって、ダンスの出来る高校生がやると、アイドル顔負けのパフォーマンスになると思います。

それなので、各校のダンスを見ましたが、どれも良かったのですが、DCCは賞レースなので、審査員の持っている感性での視点で評価をしているので、決勝ステージに残ったチームはどこも胸を張って良いと思います。

目黒日本大学高等学校(踊酔:ワルツ)
休憩時間にパフォーマンスがあったプロのダンサーにも負けないくらい、チームのシンクロしたパフォーマンスは、予選よりも気合が更に入ったからか、決勝で重視されている表現力が増していたと思います。

関西学院高等部(唄鱗:セイレーン)
揺らぎ揺らめく感じが、見ていて心地よく、静が多いかと思えば、40人近いメンバーが激しくダイナミックに動き、動と静の調和が美しかったと思います。

日本大学明誠高等学校(天気:てんき)
道具を使ったり、横になったメンバーを敢えて踏んで乗り越えて渡っていくなど、表現方法が多彩で、面白かったと思います。漢字二文字である天気を強く表現できていたと思います。道具についても、かなりの練度を感じさせる所とちょっとだけ予選と違ったと思いますが、そこが大きく印象が変わってしまったのかもしれません。

帝塚山学院高等学校(鼓舞:マウイ)
何重ものコンビネーションが織りなす、見ていても瞬間で切り替わる場面転換やダイナミックに舞い踊る姿は圧巻でした。交錯する所は、全員の阿吽の呼吸だったと思います。

山村国際高等学校(紅舞:カルメン)
胸に情熱の赤い薔薇を携え、人数の少なさを感じさせないフラメンコを彷彿とさせる魅惑的なダンスで会場を魅了しました。

武南高等学校(和勢:わっしょい)
予選・決勝を通じて唯一の男性主体のチーム。三味線の音色に合わせ、一見自由に踊っているように見せて、ちゃんと構成をしっかり整えていたと思います。

関西大倉高等学校(狂蟲:バグ)
見てておどろおどろしく感じる動きや音で気を持っていかれますが、細かい動作の乱れがあまりない規則的な動きは、かなりの練習量だったと見てて思わされました。

武南高等学校(窮屈:じゆう)
窮屈な時は、鬱屈した感じで、ダンスも気だるく重い感じで踊っていましたが、このチームが抱いている言葉の使い方の意味を捉え間違っていなければ、自由は弾けるように踊り、言葉のテーマ設定も絶妙だったと思います。

樟蔭高等学校(祈念:とっこうのはな)
しなやかにとろけるような動きや、今回の決勝で一番メッセージ性の高いダンスを披露し、終戦記念日に近い日だったからこそ、テーマにしていた内容についても、考えさせられる所があったと思います。

山村国際高等学校(瞬輝:ネバーイナフ)
黄金の衣装を身にまとい、優雅にそして、時には激しく舞い、美しく輝き、舞い踊っていました。輝きは文句なく一番だったと思います。


今回の大会の特徴として、予選も決勝も、即時で結果が出ており、審査員の人たちも演者から受ける印象を一瞬に切り取って、点数を付けていたと思います。

優勝は武南高等学校(和勢:わっしょい)がしました。しかし、2位から4位(2位:樟蔭高等学校(祈念:とっこうのはな)、3位:帝塚山学院高等学校(鼓舞:マウイ)、4位:山村国際高等学校(瞬輝:ネバーイナフ))までは同点で、ルールに乗っ取って、表現点での差で順位が決まりました。6位までは接戦と言える接戦だったのと、特別賞の中に「ベストストーリーテリング賞」というのがありましたが、表現の中心をそこに持っていくと、多分他の部分が足りなくなる感じを今回の大会では感じたので、尖り過ぎても、バランスが良くても難しい。5つの評価軸がある場合は、全部が平均値以上なのは当然として、2つくらいは尖っている方が、評価している方も分かりやすいのかなと感じました。

審査員長のKENZOさんからは、今回ブレイキンの優勝は初めてだったと話していましたが、ブレイキンは誰もやって無いという意味で尖っていたのと、意外と雑念が無かったことが挙げられるのではないでしょうか。インタビュー時に、10連続で同じダンスを練習するというのは、思考よりも身体に覚えこませていた感じなので、身体が自然と踊っていた感じだと思います。唯一無二は尖った部分ではありましたが、来年のシード権も獲得しているので、来年どのようなダンスパフォーマンスを見せてくれるのかが楽しみです。


第12回全国高等学校ダンス部選手権(avex presents DANCE CLUB CHIAMPIONSHIP vol.12)
http://dcc.avex.jp